5月から8月に行ったアフリカ諸国のフィールド調査

 

今年度、5月から8月にかけて、ザンビア共和国、ガーナ共和国、南アフリカ共和国、エチオピア連邦民主共和国において、各国の共同研究者らと環境汚染に関するサーベイランスを実施しましたので、その一部を紹介します。

①ザンビアのカブエ鉱床地域におけるヒトの血液サンプリング
これまで我々は、ザンビア共和国のカブエ鉱床において、水、土壌などの環境試料、ヒトの食糧源となるウシやニワトリの可食部、そしてヒトと生息環境を共有する野生ラットにおける高濃度の鉛・カドミウムの金属蓄積を明らかにしてきました。カブエの中でも特に汚染が進行していると考えられるマクルル地区、カサンダ地区およびチョワ地区におけるHealth Centreにおいてサンプリングを行いました。今回の調査では、住人300人から血液・尿および糞便のサンプリングおよびQuestionnaireを行いました。


②南アフリカのリンポポ州に生息する野生動物の調査
野生動物の環境汚染物質に対する感受性の種差を明らかにするために、ヨハネスブルグ大学をはじめとする共同研究者らとともに、ブラックワイルドビースト、ボンテボック、スプリングボック、ハーテビーストなどのアンテロープ(レイヨウ)の調査を行いました。


③ガーナの金鉱山における野生ラット・家畜のサンプリング

今回のガーナへの渡航では、金鉱山のあるタクワ市における鉱山周辺地域および都市部において、環境サンプルである水、土壌および野生ラット、家畜・家禽(ヒツジ・ヤギ・ニワト)の調査を行いました。また、鉱山会社における環境部マネージャとディスカッションを行い、鉱山地域内での水・土壌のサンプリングも行うことができました。