Zambiaでサンプリングを行いました。

 

中山助教と中田くん(学部6年)がザンビアでのサンプリングを行いました。

以下に内容報告を記載致します。

【渡航先】

ザンビア共和国(5月18日〜6月3日)

【渡航目的】

本渡航では、家畜における鉛の体内動態および鉛の摂取ルートの解明を目的として、ヤギおよびニワトリのサンプリングを行う。

【概要】

鉛および亜鉛の鉱床地域として知られているザンビア共和国カブエ地域は、本研究室の過去の研究によりヒトを含む動物および水や土壌などの環境中に高濃度の鉛・カドミウムが蓄積していることが既に明らかとなっており、家畜の摂食がヒトの重金属曝露の一因となる可能性も示唆されている。一方で、家畜における鉛の体内動態や主要な取り込みルート、および曝露期間と体内蓄積濃度の関係については明らかではない。

本渡航に先立ち、ザンビア大学獣医学部のDr. Yabeの協力のもと、鉱床近辺の農家においてヤギ5頭を1ヶ月間飼育した。約2週間のサンプリング期間中に、前述の5頭を含むヤギ15頭の血液、肝臓、腎臓、脾臓、肺、心臓、筋肉、骨(肋骨)、脂肪組織、体毛、胃内容物、尿、糞便、脳、およびRNAサンプルとして肝臓、腎臓を採取した。また、ニワトリ15羽の血液、肝臓、腎臓、脾臓、肺、心臓、筋肉、骨(大腿骨)、脂肪組織、羽、筋胃、筋胃内容物、糞便、脳、およびRNAサンプルとして肝臓、腎臓を採材した。さらに、これらの動物が飼育されている地域の土壌、水、野菜類などを採材した。今後は、鉛を中心とした金属類の分析を行い、鉛が曝露されているヤギおよびニワトリにおける鉛同位体ごとの取り込み量の違いや体内動態の種差の解明に加え、カブエ地域における家畜およびヒトへの鉛曝露源の解明を行っていく予定である。